お客さま健究員を巡る旅

お散歩名人、世良田様を東京までたずねて

2019.11.14

人生の歩みや楽しく生きるヒケツ、自慢の健康法など、「なるほど面白い!」なお話をお客様にお聞きする本連載。記念すべき初回に登場いただくお客様は東京都在住、ニコニコ笑顔が素敵な世良田様です。20代よりも歩いていらっしゃる世良田様が、ハツラツでお元気なヒケツ、たっぷりと伺いました!

今回の投稿者
東京都 88歳
世良田 光代 様

歩けないのは、悲しいから。

15年前、どこへでもどんどん歩いて、1日2万歩、歩きすぎといわれるくらい歩いていました。膝に水がすこし溜まってしまって、階段ののぼりおりや立ったり座ったりがツラくなり、正座ができなくなりました。鍼の先生から、「水は体のなかの大事なものだから、絶対にぬかないで」と言われ、年齢的には軟骨も減っていたでしょうし、たまたま新聞広告で見かけたサンセリテの『グルコサミンMPB』を飲むことにしました。いろんな会社のサプリメントと比べたけれど、サンセリテが一番安かった。高いと続けられないものね。

ボランティア。

長年、目の見えない人のためのボランティアをやっているの。最低でも週に2日は出かけていきます。図書館での対面朗読と医学書をテープに起こすボランティア、コーラスの練習のお手伝い、そしてガイドヘルパーの4つです。ガイドヘルパーは、目の見えないマッサージ師の方々を、介護施設まで送り迎えするんです。

自分とだれかのために。

みんな、わたくしがよく歩くことをご存知だから歩きたがります。目の見えない方は、一人では長時間歩けないから。バス停ならふたつみっつ、駅ではエスカレーターやエレベーターは使わずに階段をのぼりおり。娘には「何かあったら困るから」といわれるのだけど、みんながガイドヘルパーを辞めさせてくれないんです。歩くのは、自分の健康のためでもあるのよ。定期的に散歩に出かけるのはむずかしい。何かのついでに歩けたらいいわよね。それも、だれかの役に立ちながらならなおいい。一挙両得だわ。

その日、食べたいものを。

ご飯は毎日、3食いただきます。できるだけ自分でつくります。安く買ってきて、「どう調理しよう?」って考えるのが好きね。太刀魚を買ったら、半分はムニエルに、半分は塩焼きにしようってね。夕方に悩むのではなく、1日の献立は朝から考えているわね。娘からは「宅配のお弁当があるでしょう?」といわれるけれど、その日食べたいものではないからイヤなの。

朝起きてまずね、『グルコサミンMPB』とコーヒーを飲むでしょ。あとの栄養素は食事でとります。朝ごはんは遅めで10時くらい。そうすると、お昼が2時くらいになって、おやつを食べないですむんです。お昼は一人前たっぷり食べちゃう。だって動いてお腹がすくじゃない。夜は炭水化物をかならず食べます。赤ちゃんのおにぎり程度だけれど。その分、おかずはいろいろな種類をいただきます。

よく食べて、よく働いて、
よく寝ること。

たまにね、肉のかたまりが食べたくなるんですよ。体がほしくなるの。銀座のステーキ店に行きます。銀座っていうと高級に聞こえるでしょう?ちがうの、リーズナブル。980円。孫には「80過ぎたおばあさんが食べるものなの?」とびっくりされています。

たんぱく質はかならずとる。血糖値をあげないように、食べる順番に気をつける。野菜を多めにとる。『グルコサミンMPB』以外は食事でとる。そのくらいはやっているけれど、よく食べて、よく動いて、よく寝る。これがきほんだと思っています。

ちょっとしたきっかけで、
人生はひろがっていく。

自分で借家して、薬局をやっていたのね。でも、ワケあってやめたんです。人とのつながりっていいですね。そのあと、薬問屋さんから「手伝いに来てくれない?」と誘われて、薬局に通って、うちの近所の調剤薬局でお手伝いをして、と次々とご縁がつながっていきました。

目の見えない方のボランティアも、ちょっとしたきっかけから。45年前、たまたまNHKが出版する雑誌に投稿をしたら、TV番組での探訪のお手伝いを頼まれたのです。カメラテストと音声テストを受けて、月に2、3回、地方へ探訪に行って、たまに番組に出演していたのです。そんなきっかけから、「もしかしたら、自分の声でだれかのお役に立てることがあるかもしれない」と、図書館で募集していた朗読者のボランティアをはじめたのです。

わたくしの人生、途切れがないわね。ぜんぶなにかつながりがあるから。ちょっとしたきっかけで、人生はひろがっていくものなのね。働きたい、お金をかせぎたいと思ってはじめたのは自分で薬局をやったことだけ。つながりだけで、ここまでやってきました。みなさんに生かされていると感じます。

歳のことは考えたってしょうがない。

自分の年齢はふとしたときか、書類に書くときに思い出すだけ。娘たちの方が、わたくしの年齢を意識しすぎていると思うの。「歳なんだから、歳なんだから」って。気をつかってくれるのはありがたいけれど、年寄り扱いしすぎ。その人なりに、年齢の勝手なイメージがあるのでしょうね。でも、歳のとりかたは人それぞれだから。

今日もね、家からここまでバスと電車できたの。バスの路線図を見てね。遊びに行くときも、無料のシルバーバスを使ってどこまでタダで行けるのか考えるの。用事と用事のあいだの時間をどう使って楽しもうか。いかに安あがりで遊ぼうか。考えることが好きなのね。ひまはたっぷりありますから。

100歳もこのまんまで。

約束ごとは、頭のなかに入っています。絶対に忘れません。できないことはちゃんと断る。家に帰ったらカレンダーに書き込みますが、まずは記憶します。「ガイドヘルパーをした人から、次はどこへ行ってほしいと言われたかな?何がほしいと言われたかな?」とひとつひとつ思い出していくんです。孫と次の約束をするのに、「何週間も先の日程をよく覚えているね」といわれます。若い方はなんでも携帯電話でするのだろうけど、わたくしは機械を使いこなせないから。からだのなかの機械を使いこなすほかないわね。

100歳になっても、このまんまでいたいわ。とにかく、歩けなくならないこと。そして、ボケないことね。血管年齢を測ったら、65歳といわれました。骨密度も若い人とまではいわないけれども、とても高いね。20代の平均とそんなに変わらないのだそうよ。カルシウムを摂るだけではダメ。やっぱり、歩かないとダメなのよ。

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