西洋医学と東洋医学
第2回 東洋医学は「人間」を診る
2022.05.25
出演者の紹介
商品開発員 矢内(やない)
サンセリテの商品開発員としてサプリメント・化粧品の企画開発、素材選定、製造・品質管理などを担当。「健康管理士一般指導員」、「日本化粧品検定1級」の資格を持つ。
鍼灸師 笠原(かさはら)
自身のケガがきっかけで、はり師・きゅう師の資格取得。10年間、鍼灸師として患者一人一人と向き合う。その経験を活かし、現在はサンセリテでお客様の健康のお悩みサポートで活躍中。
「人体」を診る西洋医学と「人間」を診る東洋医学
矢内
前回の対談では、西洋医学と東洋医学、その違いについて学びました。今回は、前回の比較表に、「人体・心身二元論」と「人間・心身一体」という新たな視点が加わりましたね。
笠原
そうですね。西洋医学と東洋医学では、「人をどう診るか?」という点にも違いがあるんです。西洋医学は、「人体を診る」。細胞の集合体としての「人体」を、内科や外科、精神科といった体の部位や機能ごとに分けて診ていきます。一方、東洋医学は「人間を診る」のです。患者さんを一人の「人間」として、ストレスや周辺環境含め、まるごと診ていく。それで、東洋医学では「心身一体」という考えが根付いているのです。
「心身一体」とは?
矢内
興味深いですね。笠原さんは、「心身一体」という考えでどんな風に患者さんにアプローチしていたのでしょうか?
笠原
整骨院は、腰が痛い、肩が痛い、膝が痛いという方が治療をしに来る場所ですが、皆さんが想像する以上に、僕たちは患者さんから生活背景についてのお話を聞きます。その結果、患者さんは元気な顔で帰っていかれる。人に話すことで気持ちが軽くなって、幸せホルモンのセロトニンが出て、心がリラックスして、痛みも緩和される。まさに心身一体のサイクルです。
矢内
お話を聞くとは、一体どのくらいまで踏み込んで聞くんですか?「どんなお仕事をされているんですか?」とか、そういったことも?
笠原
そうですね。初めて来られた方には問診の時間を長くとっています。お仕事についても聞きますし、「どういったあとに痛みが強くなりますか? 弱くなりますか?」「この整骨院まで歩いてきましたか?」など、普段の生活や習慣についても一つひとつ掘り下げていきます。
矢内
患者さんの生活背景の中に、治療のヒントが隠されているんですね。
笠原
僕は歩き方や、靴箱に入れられた患者さんの靴底をよく見ていました。「片方だけすり減っている」と気づいたときは、「引きずって歩いている。もしかして股関節に違和感があるのでは?」と、痛みの原因を予測したりしていました。
西洋と東洋を両立させる
矢内
それはすごい! 面白いですね。僕は最近、よく考えるんです。「サプリメントが果たすべき使命って何だろう?」って。長年に渡って商品開発に携わってきましたが、明確な答えはまだ見つかりません。でも、笠原さんの話を聞いていて、「サプリメントは東洋医学的だなぁ」と感じました。「人間を診る」「心身一体」「個別性」「未病と向き合う」すべてがサプリメントにも当てはまる気がします。
笠原
「 お客様に寄り添って、お話をよく聞く」という点も、東洋医学とサプリメントを開発するサンセリテとの共通点ですよね。病院へ行って薬を飲んでも治らなかったが、サプリメントで栄養補給することで変わった、という方は多くいらっしゃいます。東洋医学とサプリメントは身近な関係といえます。
矢内
ただ、東洋医学にだけ傾倒しすぎるのもよくありませんね。
笠原
その通りです。僕は、「西洋医学と東洋医学を両立させたい」という考えです。痛みや違和感を感じたときはまず、病院へ行ったらいいんです。血液検査や画像診断を通して病が見つかり、治療できれば良いですよね。でも、もし、原因が特定できなかったり、治療が終わっても不調が続くなら、東洋医学に頼ったら良いと思います。
矢内
自分自身でそのときどきに必要な選択ができるように、より深い知識を身につけていきたいものです。笠原さん、今回もありがとうございます。次回は「鍼灸の治療法」について教えてもらいます。お楽しみに。
次回は鍼灸師笠原による「鍼灸の治療法」を大公開! お楽しみに!