お肌や健康

ヒゲを剃ったら、人生がちょっとだけ変わった話。

2022.02.10

肌の悩み=女性の悩み?いえ、そんなことはありません。肌の悩みは男女共通。むしろ男性だからこそ抱える悩みもあるかもしれません。そんな「男性ならではの肌の悩み」を語る本連載。第一弾の投稿者は、「ヒゲ」について語ります。

今回の投稿者
サンセリテ編集室ライター
小池

ヒゲ=ハリウッド俳優?!

「ヒゲのある男」ってずっとかっこいいと思っていたんです。僕は、昔から映画を見るのがすごく好きなんですが、ハリウッド映画に出てくるジョージ・クルーニーとか、ショーン・コネリーとか、日本でもオダギリジョーとか、みんな凄くダンディでイカしてるじゃないですか。しかも、ヒゲのある男は大体ハードボイルドで渋い役回りをすることが多い。それはもう、絶対真似したくなりますよね。というか、男なら一度くらいは「ヒゲ伸ばしてもいいかな…」と思う時期が絶対あるんじゃないでしょうか。

ただ、ヒゲは人によって濃さが全然違います。何日も剃らずにいても生えない人はいますし、その逆で朝剃っても夕方には青ヒゲが生えてくる人も。さいわい、僕はその後者。そこそこヒゲが濃い方です。1日放置すれば無精ヒゲが見てわかりますし、1週間も放置すればかなりのヒゲが生えます。大学時代は、念願かなって、ずっとヒゲを伸ばしていました。しかも、わざわざヒゲを伸ばしても大丈夫なバイト先を選んでたくらいですから、かなりヒゲには拘っていたと思います。

(大学四年生の時の僕)

ヒゲを伸ばしていたのは、「かっこいい」という理由がもちろん一番大きかったですが、それ以外にも「ヒゲを剃らなくていい」というメリットがありました。男にとってヒゲ剃りは切っても切り離せない宿命のようなものです。永久脱毛でもしない限り、死ぬまでヒゲを剃り続けなくてはなりません。でも、ヒゲを伸ばし続けるとそこまで頻繁にヒゲ剃りしなくても済むんです。

たまに、見栄えをよくするために整える必要はあるのですが、毎日のヒゲ剃りに比べたら圧倒的に範囲も狭いですし、時間もかからない。カッコいいし、髭ソリも楽だし、「ヒゲを伸ばすことって、良いことばっかりじゃん!」とずっと思っていました。

かかとから忍び寄る悪夢。

話を少し変えます。僕は昔から「かかと」が凄く乾燥する人間です。冬になると、もう「3年くらい乾燥させた餅」みたいな割れたかかとになります。それだけ割れるとかなりの血が出てしまい、冬は血が滲んで目立つので白い靴下は履けません。歩くのも辛いんです。これはもう中学や高校生の時から悩んでいて、軽石を使ったり、クリームを塗ったり、いろんなことをやってきました。

ただ、かかとだけで済んでいるうちはまだ良かった。20歳を超えたくらいから、全身にも乾燥を感じるようになりました。風呂上がりには体全体がむず痒くなったり、スネから粉を吹くようになるなんてことも。だんだん乾燥肌が加速していったんですね。

それから、年を重ねるにつれスキンケアをする部位が増えていきました。かかとから始まり、足全体、手、そして、23歳の頃には顔のケアも。そしてある時気づいたんです。「顔のケアするときにヒゲがすんごく邪魔」だということにも。

さよならバイバイ、僕のヒゲ。

ヒゲを伸ばしたことがある人には共感していただけると思うのですが、髭と顔のスキンケアってかなり密接な関係にあると思います。例えば、夏はヒゲを生やすと顔が凄くムレるんです。通気性はよくないし、汗も拭き取りづらいから不潔。暑いときに髪が長いとなんだか邪魔くさい感覚に近いです。もちろん夏だけじゃない。乾燥肌の僕は冬も辛かった。人間の皮膚の中でも顔は特に繊細な箇所です。これもまたヒゲあるあるなんですが、ヒゲが生えている箇所って生えかけの毛もあったりして痒くなるんですよ。しかも冬に顔を掻くとダメージは負うし、さらに掻いたりしてしまう。負のループです。僕にとってヒゲは「かっこいいもの」から「邪魔なもの」に変わっていきました。

そして24歳の冬、ついに決意をしました。ヒゲを全部剃ったのです。僕の顔からヒゲが一切なくなるなんて五年ぶり。剃り終えた後、自分の顎を触って、旧友との再開を果たした気持ちになりました。

(髭が減り、体重が増えた僕)

こんにちは、つるつるの僕。

ヒゲを剃ると世界が変わりますね。5年間ずっと僕の顔にまとわりついていたものが綺麗さっぱりいなくなるんですから。ヒゲを生やしているときに比べてダンディさは無くなったかもしれませんが、清潔感は圧倒的に増したと思います。何より、顎を触って「つるつるしてて気持ちいい〜」と感じるのを1日5回はやっています。

そして何より、スキンケアがしやすくなった。僕は乾燥肌だったからこそ、毎日の風呂上がりの化粧水と乳液は欠かさず行っていたのですが、すごい楽なんですよ。乳液ってとろみのあるテクスチャーのものが多いじゃないですか。ヒゲが多いと、ヒゲに乳液がまとわりついちゃうんです。だから拭き取ったりするのが毎日面倒だった。でも今はそんなこと気にしなくていいんです。バーッと顔に広げて塗るだけ。普通の人なら当たり前だったことを出来るようになり、日々感動しています。

「ヒゲ、ない方が好き」

おかげさまで、乾燥肌で悩むことも少なくなりました。ヒゲがないっていいものですね。昔、振られた女の子に「ヒゲ、ない方が好き」と言われたことがありました。今、もしタイムマシンがあったら乗るかもしれません。「早くヒゲを剃れ」と伝えるために。

最近はハリウッド映画ではなく、フランス映画を中心に見るようになりました。フランス人俳優って、ハリウッド俳優に比べるとヒゲのある人が少ないんです。そのせいか、だんだんヒゲのない男の方がカッコよく見えるようになりました。ヒゲがなくてもダンディな男になれる。そう思えるようになったことが僕の一番の成長かもしれません。

この記事を書いた人

小池 悠輔

サンセリテ編集室ライター。たまに日本中を放浪する20代男子。クラシック音楽と映画と漫画とお笑いが好き。極度の乾燥肌と、ふえゆく皮下脂肪と日々格闘中。

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